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INTERVIEW

麺づくりを通して人と人とをつなげます@株式会社麵棒

今回は、中国四国地方を中心に製麺事業を展開する株式会社麵棒の白井様にお話を伺いました。同社のミッション・ビジョン・バリューという考え方をもとに、麺づくりを通して人と人とをつなげるという理念の実現を目指す熱い想いをお伝えいたします。

経営理念についてお聞かせください。

白井様:
弊社はミッション・ビジョン・バリューというものを掲げています。以前は「おいしい麺づくりに挑む」という文言を先代社長から引き継いで掲げていましたが、二代目の社長になった際に、今後どのような会社になっていきたいか、どういう社会になったら良いか、社内においてはどのような価値観を持って仕事をすべきか、というところを考えたうえで、2022年MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)というものを新たに定めました。

まず、会社のミッションは「ほっとするmen繋ぎ」を掲げています。ほっとするというのは「あったかい」という意味と、「安心感のほっとする」という意味が込められています。そういったほっとするという気持ちを麺事業でつなぐということと、人(MEN)と人とをつなげるという意味のMEN、点と点ではなく面でしっかりつながってく会社になりたいという想いで「ほっとするmen繋ぎ」としています。これには、弊社は香川県善通寺というところにあるんですが、田舎なので地域のつながりが都会に比べてあると思うんですけど、社会全体で考えたときは希薄になってきているので、麺事業をとおして人と人とをつなげて面で補っていけるような会社を目指したいという背景があります。

——麺という言葉がいろいろな方面につながっていきますね。

白井様:
そのミッションが達成されると、社会全体のビジョンがどうなるかを考えたときに、「お接待社会の実現」というビジョンを掲げさせてもらっています。ちなみに「お接待」ってご存じですか?

——接待と聞くと、会社の取引先との…というイメージですね。

白井様:
ご存じないかもしれませんが、四国は八十八か所お寺があるんですよ。
空海が四国に八十八か所のお寺を造ったんです。それを一番から八十八番までまわるとご利益があるという習わしがずっとあって、八十八か所巡りをする方も結構いらっしゃるんですよ。それとこのお接待社会というのがつながっています。
お接待という言葉は、いまは会社同士で誰かをもてなすとか、そういう意味で多く使われているんですけど、本来は仏教用語で僧侶に門前で湯茶を振る舞うという意味なんです。旅をしている修行人に対しての無償の奉仕ですね。そういった奉仕の気持ちを大事に、人と人とのつながりで出来上がる社会が実現してほしいなと思います。みなさんが無償の奉仕という気持ちを持っていたら、もっとあったかい社会になっているだろうし、ミッションに掲げている「ほっとするmen繋ぎ」を叶えやすい社会になるんじゃないかということで「お接待社会」という、一人一人がつながったお接待の気持ちを持った社会になっていけたらなあと思いビジョンにしています。

そのミッションやビジョンを達成するために、社内でどんな価値観を持って仕事をすべきかというところで、バリューを掲げています。

1つ目が「赤ん坊品質」です。
赤ん坊が思い切って遊べるほど安全で清潔な職場づくりをする、ということです。赤ん坊を連れてきてその場で遊ばせることができるくらい清潔にしましょうよという意味と、食べるものとしても赤ん坊が口に入れても大丈夫な品質の製品を作りましょうという意味で「赤ん坊品質」を掲げています。

2つ目が「ものづくりよりファンづくり」です。
わたしたちは食品メーカーで、うどんをつくるスペシャリストなので、既存のコンビニさんとの仕事もそうですし、今後、コンビニ商品製造以外の新規事業を考えたときでも、おいしいと思ってさらに麺棒のファンになってもらわないといけないと思っています。もちろんその商品自体はコンビニさんの商品ですけど、「ここのうどんっておいしいよね」とファンになってもらって買うような製品づくりをしていこうという想いで掲げています。

3つ目は「失敗コレクター」というものです。
よく従業員に挑戦しましょうと言っても、なかなか踏み出せないということがあると思うので、失敗をコレクションできるくらい失敗していこうという発想です。やっぱり失敗することで成長につながるので、自分の成長につなげるためにみんなで失敗のコレクションをしようよ、というバリューにしています。

4つ目は「生涯仲間」ですね。
従業員同士もそうですし、パートの人に対しても、一度仲間になったら生涯仲間として安心して働いたり、意見を言ったりして、お互いを認め合って仕事をするためにも必要なことだと思います。弊社は社員以外にもパートさんが多くいるんですよ。常時いる人もいれば繁忙期だけ来てくれる人もいるんですけど、そういう人を無下に扱ったりするんではなく、一度でもつながりを持っているのだから生涯仲間として接していきましょうね、という意味があります。

5つ目に「なんで、なんで、なんで」です。
3回なんで?と聞いています。(笑)
物事には全部意味がありますよね。それを一つ一つ深く考えていくことによって、自分がどうしてそれをしなくてはならないか、ということを考えるようになります。一人一人が「なんで?なんで?なんで?」とやる目的を考えて理解すれば、なぜやらなきゃいけないかということが理解できて、仕事面でも一歩先に進むことができるし、人生においても豊かになっていくと思うので、この言葉を掲げています。

どれもあえて面白い言葉にしているんですけど、日頃からみんなで使いやすいような言葉選びをしています。「良品づくりをしていこう」といった固い言葉はみんな聞き慣れているので、受け流しちゃうんですよね。たとえば「ちゃんと赤ん坊連れてこれる?」とか「失敗何個貯まってるの?」とか面白く使えるように制定しています。
このミッション・ビジョン・バリューはこの2022年10月から社内に落とし込んでやっていこうとしている最中です。これらが実現できたらもっと面白い会社になるでしょうし、もっと良い会社になるんじゃないかと思っています。これが弊社の経営理念です。

——どれもユニークですぐ覚えることができますね。これは白井さんがお考えになられたんですか?

白井様:
社長が基本的に考えましたが、私や工場長も一緒に考えさせてもらいました。
みなさんもぜひ使っていってください。

事業内容についてお聞かせください。

白井様:
事業内容としては、大手コンビニエンスストアの中国四国地方にある1,200店舗くらいに、そば・うどん・冷やし中華といった麺類全般のお弁当の製造をおこなっています。
もともと先代のときは地元のスーパー向けに袋に入ったうどん・そば、付属のスープを作っていました。やっぱり香川県は「うどん県」なので麺にうるさい主婦の方が多くいらっしゃるんですよね。茹でたての麺しか食べないという方もいらっしゃるので、弊社も商品は配送センター経由ではなく直接店舗に納品してスーパーに並べるようにしていました。しかしスーパーも全国チェーンに吸収合併されて下火になって値下げ交渉なども頻繁にされるようになったときに、ちょうどコンビニエンスストアさんとお取引が拡大して製造できるようになりました。最初は四国地区だけだったんですが、2015年くらいから中国四国地方に拡大して、2017年くらいには商品のバリエーションも増えて、今は揚げ出し豆腐などの総菜カテゴリーも増やすことができています。

今年は麺だけでなく、お米を使った商品も製造開始し、ざるそばとお稲荷さんが3つくらい入ったざるそば定食という商品の製造ができるような設備導入もおこなっています。こういった商品の製造ができますか、という問い合わせにはすぐに対応できるように挑戦していっています。挑戦しているからこそ、売り上げも伸びて利益も上がっていっています。

福利厚生についてお伺いします

——貴社ならではといった制度はございますか。
白井様:
福利厚生でいうと、会社内で一人一人に予算を渡しています。
飲み会の経費というか、1年間で懇親会費という形で他部署との交流に使ってもらえたらと思っています。年間1人あたり2~3万円くらいで、飲み会のお金はその経費から出るという制度ですね。交流のためにもそういう経費を出させてもらったりとか、たとえば釣りが好きな社員同士が集まって釣り部を立ち上げていたりしています。工場長が船の免許を取ったので、みんなで船を借りて釣りをしたり、無人島まで行ってバーベキューをしたりしているようです。

——どれも気になるものばかりですね!社員さん同士仲が良さそうな印象があります。

白井様:
仲は良いと思います。懇親会費も今年の夏前くらいからスタートしたんですけど、部署の垣根なくみなさんたくさん懇親会費を活用して食事に行っているので、親睦が深まって良かったなと思っています。
やっぱりそこでつながりというか、社員同士のストレス発散とかやる気の場にもなると思うので。懇親会費を使って飲み会とかバーベキューもするけど、その帰りにみんなで温泉に行こうとか、いろいろと使ってもらっています。

入社後の社員教育についてお伺いします

白井様:
弊社の場合は入社してすぐ現場で実際の仕事をして学んでもらっています。それ以外だと、ビジネスマナーや目標の定め方などは随時研修という形で、外部講師を呼んでそれぞれ振り返りをしながらおこなっています。
あと部署内で面談は月に1回行っているのと、「あしたのチーム」という目標管理制度を導入して、目標管理をしっかりして、それが達成できたら評価や賞与に反映しています。
入社して1年間はしっかり上司と面談を重ねて目標をつくりどれくらい達成できたかを、スケジュールを組んでおこなっています。
ほかにはメンター制度も導入しています。去年から始めたんですが、若手社員が1つ下の社員のメンターとして話し合って成長につなげていきたいと考えていますね。

入社される方には、どのように育っていってほしいですか

白井様:
うちの会社のミッション・ビジョン・バリューに共感してもらいたいですね。
やっぱり今の社会でうちみたいな中小企業の製造会社が、あと10年20年30年先に、「生き残れるかどうか」を考えたときに、ミッション・ビジョン・バリューが達成できていれば生き残れていると思うんですけど、これからの時代、大企業でも潰れてしまう時代になってくるので、これからの若い人たちにはどんな社会でも生き残れるような人材になってもらいたいなと思っています。
ミッション・ビジョン・バリューを達成して、価値のある人になってもらって、たとえばうちの会社ではこれ以上成長できないと思ったら転職していただいて構いませんし、「生涯仲間」なのでまた戻ってきてもらっても良いですし。
成長を支えることはできるので、いろいろなことに挑戦したいなと思っている方に来てほしいですし、入社した方はそうなってほしいですね.

貴社で活躍されている方の共通点はございますか

白井様:
やっぱり会社をより良くしていこうという気持ちが強い方ですかね。
現状に甘んじないで、こうしたらどうだろうとか、そういった気持ちを持っていたり、発言したりする方ですね。
一人でやるんじゃなくて、チームや周りを巻き込んで一緒に良くしていこうと思ってくれる人がどんどん増えてほしいなと思います。

貴社の社風はいかがでしょうか

白井様:
結構みなさん仲良くというか、和気あいあいとした雰囲気ですね。社員だけじゃなくてパートさんもお昼休憩ではお菓子を持ってきてくれたりとか、他愛もない話で食堂が盛り上がっていたりするので。ほんとにアットホームにやらせてもらっていますし、相談事ができる体制づくりも進めています。

ーー相談しやすい環境が整っているのは素晴らしいですね。

白井様:
会社案内や説明会とかでも「みなさん仲良いですね」というお声はいただくこともあるので。
でも仕事は製造業ということもあってもちろん大変なんですよね。日々みなさん汗だくでバタバタされているときもあるんですけど、一旦仕事を終えたり休憩のときになると、笑顔でお話されているのでうれしく思います。

就職活動をされている方に向けてメッセージをお願いします

白井様:
これからの成長を考えて、今はまだまだ小さい会社ですけど、やっていることは面白い会社だと思います。
ミッション・ビジョン・バリューや新しいことに挑戦するとか。
今後、ミッション・ビジョン・バリューが達成できたら、次は新しい事業のことを考えたり、可能性はまだまだ無限大にある会社かなと思っていますので、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。
社長も今年36歳とまだ若いので、新しいことへの挑戦や時代の流れには敏感ですし、教育のことやサポートのこと、社内の体制づくりのこともいろいろ挑戦して改善していって、より良い会社を目指しているので、ありきたりな決まったやり方ではないかもしれないですが、新しいことが好きな方や自分でもいろいろとやってみたい方にぜひお声がけいただけると嬉しいなと思います。

インタビュアーのコメント

今回は、株式会社麵棒の白井様にお話を伺いました。

先代社長が掲げた経営理念を実現するためにつくられたミッション・ビジョン・バリューには、会社のことだけではなく社会全体のためにどうしていくべきか、具体的かつユニークな言葉が多く、どれも印象に残っています。
取材をしているなかでも、随所に「人と人とのつながりを大切にする」という同社の強い想いが感じられ、今後の展開が非常に楽しみに思いました。

株式会社麵棒の理念や社風に少しでも魅力を感じた方は、ぜひ一度エントリーしてみてはいかがでしょうか。
白井様、本日はお忙しいところ貴重なお話をありがとうございました。

(インタビュアー:織田)

織田 緑
株式会社PDCAの学校
営業部・インタビュアー

 

 

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▼リクナビ
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会社概要

社名: 株式会社麵棒
設立: 1980年6月
所在地:香川県善通寺市中村町1003-1
ホームページ:https://www.menbou.co.jp/

担当者プロフィール

▼白井尚子(総務・人事担当)
2015年中途入社。盛付室・品質管理を経験、出産・育児休暇を経て、総務・人事を担当。
会社のミッションとして「ほっとするmen繋ぎ」を掲げ、麺づくりを通して人と人がつながる会社へ!
従業員の皆様がより良い職場になるべく、改善活動や福利厚生の充実を図っています。