1. HOME
  2. インタビュー記事
  3. 徹底した時間管理・コスト管理で印刷業界を改革する@大東印刷工業株式会社

INTERVIEW

徹底した時間管理・コスト管理で印刷業界を改革する@大東印刷工業株式会社

大東印刷工業は、東京にある総合印刷会社です。オフィスは東京スカイツリーの真下と、とてもアクセスしやすい場所にあります。印刷業界全体が縮小し、売上を落とす会社も多い中、高い利益を上げている同社。その秘訣とは一体何でしょうか。仕事で大切にしていることや、どんな人物を求めているかなど、大東印刷工業の中島章裕様に伺いました。

貴社の事業内容についてお聞かせください。

中島様:
業種としては印刷会社です。新卒採用でよくあるのが「本屋に並んでいる書籍をデザインから作れる」とお考えの学生さんが応募してきてしまうことです。それは出版印刷というジャンルで、当社の仕事とは異なります。当社が扱っているのは商業印刷というジャンルです。

━━その商業印刷は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

中島様:
商業印刷は、大きく以下の2つから成り立っています。

1.販促用印刷
2.業務用印刷

販促用印刷は、メーカーなどが売りたい商品やサービスをお知らせするものです。要するに広告ですね。業務用印刷は、例えば会社紹介があります。また業界紙や機関紙などの定期刊行物も当てはまります。「私たちの業界はこんな活動をしています」とお知らせするものですね。他に官公庁の印刷物もあります。

━━広告にもさまざまなジャンルがありますが、貴社が得意とする広告はどのようなものでしょうか?

中島様:
このジャンルだけというものはなく、広告代理店から要求されたものは、ほぼすべて対応できます。私たちが直接お客様から広告の仕事を受注するのではなく、広告代理店がプランニングして、デザインしたものの印刷・製造を委託されることが多いです。等身大の人型をした大きなものから、コンビニにある小さなスイングPOPのようなものまで、幅広く制作しています。

━━業務用印刷は、例えば就活生にも身近なところで言うと採用説明会で配るようなパンフレットなども含まれるのでしょうか?

中島様:
そうです。販促用印刷と異なり、業務用印刷は当社がデザインから手掛けることもあります。また場合によっては、企画から当社が入ることもありますし、取材も実施します。お客様がデザインする場合もあるため、ケース・バイ・ケースですね。

━━同業他社と比較して、貴社が持っている強みは何でしょうか?

中島様:
印刷の各工程を内製化しており、社内で完結していることです。印刷の工程は複雑で、やることがとても多岐に渡ります。当社では、他社が専門の会社に外注している部分も、自社で対応可能です。ですから自社の基準で統一された、高品質の印刷物をお客様にお届けできるのです。

貴社の経営理念についてお聞かせください。

中島様:
実は、当社は社長の方針で、経営理念を出さないことが理念です。なぜなら「言葉だけでは人は変わらない」と考えているからです。理念は掲げず、印刷という仕事を通じ、会社としてしっかり稼いで利益を出す、これを徹底的にやっています。どれくらい徹底的にやっているかというと、当社は同業他社の3、4倍の利益率を叩き出しています。正直な話、他と違う素晴らしい印刷物で差別化を図れているかというと、そんなことはありません。他社でも印刷できるものを作っています。

━━利益率が高い理由は、やはり印刷工程を内製化しているからでしょうか?

中島様:
それもありますし、徹底的に時間管理をしているからです。無駄な働きをしないですし、残業もしません。以前、同業他社の社長に「働いている時間が短いのに、なぜそんなに利益を出せるのか。クレイジーだ」と言われたことが印象に残っています。

━━貴社は印刷だけでなく、印刷会社のコンサルティングの需要も高そうですね。

中島様:
実際に社長や私が、業界団体の有料セミナーで講師を務めることもありますね。

━━やはりそうですね。そんな貴社にとって、現在の課題は何でしょうか?

中島様:
仕事の受注をつくることです。印刷業界の最後のピークは、1997年です。そこを境に、縮小している業界です。各社とも軒並み売上を落とし、伸ばせずにいます。この課題を解決するのに必要になるのは「お客様が真に求めるものは何か」を汲み取る力です。お客様は、印刷物そのものがほしいわけではありません。その印刷物が生み出す効果を求めているわけです。

━━お客様のニーズを捉えたうえで、価値を提供していくということですね。

中島様:
はい。例えば、ただチラシをつくるのではなく、そのチラシが生み出す成果や効果に着目し、お客様とディスカッションし、時にはコンサルティングに近いことをして、意味があるものを作っていくことが大切だと考えています。

そんな貴社の研修制度の特徴についてお聞かせください。

中島様:
社会人としてのマナーやワード・エクセルの使い方など、ビジネス系の研修は外注しています。しかし外注できない印刷のプロフェッショナルとしての部分については、社内で教育しています。研修期間は約2カ月から3カ月です。午前中は座学中心、午後は実際に先輩に同行してもらい、OJTで学んでもらいます。理論と実践をバランス良く学ぶイメージです。まずは簡単な業務からお願いして、できることを増やし、成功体験を積んでいってもらっています。

また、私たちはチームで固まることはせず、2週間に1回、席替えをしています。そうすることで、さまざまな先輩と会話する機会が増えます。いろいろなジャンルの仕事をしている先輩から話を聞くことで、席を固定するよりも成長するスピードが早いと考えています。

ここからは少し厳しい話になります。これは営業職の話ですが、営業は自分のお客様をつくる必要があります。学生さんは面接で「お客様に寄り添っていきたい」と語ってくれるのですが、それはあくまでお客様ができた後の話です。大事なのはその前段階です。営業の場合、その理想と現実とのギャップが、離職してしまう最大の原因になっています。

当社では、1人の先輩だけでなく、複数の先輩に同行してもらうなど手厚く対応しています。特にこちらから「これをやりなさい」と新人に指示することはありません。いろいろな先輩の背中を見て、その中から自分で取り組みたいことを見つけて、チャレンジしてもらっています。

―営業は大変なことも多いですが、その分やりがいのある職種ですね。中島様も以前は営業だったそうですが「やってよかった」と感じるのはどのようなときでしょうか?

中島様:
2つあります。1つめは「あなた個人にお願いしてよかった」と言われることです。「大東印刷にお願いしてよかった」と言われるのが通常ですが、そうではなく「あなたが担当でよかった」「あなたのおかげでうまくいった」「あなたのおかげで成果が出た」「あなただからお願いした」と言われると嬉しいですね。

2つめは、こちらが依頼した意図を社内のチーム全員が理解して、ミスなく高品質のものができあがったときですね。外注してしまうと、意図していないものができあがることもあるのです。

―ワンストップで製造できる、貴社ならではですね。

中島様:
そうですね。これは私だけではなく、他の社員からも同じ話をよく聞きますね。

現在貴社で活躍している方は、どんな特徴をお持ちですか?

中島様:
良い意味で「会社のいうことを聞かない人」です。例えば営業の一人が、自分はある特殊な広告を専属で売りたいと言い出しました。その広告は、設計から全部こちらで提案していく必要があり難易度が高いものです。また設備を投入したものの、売り上げがあまり芳しくない状況でした。会社は止めたのですが、その営業は当社で今ナンバー3に入る売り上げを出しています。

お客様の困っていることを聞き、それを私たちの印刷を通じて解決するというアプローチができる人が活躍しています。展示会などでただ闇雲に「何か印刷物はありませんか?」「見積させてください」とアプローチするだけでは、お客様を獲得できません。すでにどこかに頼んでいる印刷物を、わざわざうちに切り替える理由がお客様にないからです。

お客様に課題があって、その課題を当社でなら解決できる。それがわかって初めて印刷の発注をうちに切り替えてくれるわけです。お客様の方を全然向かずに、自分が売り上げを出したい、自分がお客様を獲得したいと、自分のことしか考えない人は続きませんね。

活躍している人は、お客様としっかり会話していますし、扱えるサービスの幅も広いですね。それに印刷物だけでなく、梱包や発送をどうするか、印刷物をお客様にどう届けるかまでトータルに提案できるので、お客様の評価も高いですね。

求める人物像についてお聞かせください

中島様:
3つあります。1つ目は、当たり前の「報連相」ができる普通の人です。普段はできていても、都合が悪くなると、それをやらなくなってしまう人が多いのですよね。

―悪い報告ほど、隠してしまいがちですよね。

中島様:
はい。大炎上してから発覚するとか、お客様からの情報で初めて発覚するとかは困りますね。
2つめは周囲のアドバイスをきちんと聞ける、そしてそれを自分の中できちんと消化して考えられる人です。「お客様がなぜその印刷物を必要としているのか」を考えられない人、誰かに言われたとおりのことしかできない人は、厳しいですね。

3つめは、成功と失敗を、Yの字のような分かれ道で考えない人、失敗を成功へと続く一本の道として捉えられる人です。特に営業で、成功か失敗かの分かれ道で考えてしまう人はダメだと私はよく言っています。なぜならその人は「絶対に成功する」という確信がない限り、行動できなくなってしまうからです。顧客のリストがあっても、成功するように頭の中でロールプレイングばかりして、なかなか動かない人とは、あまり一緒には働きたくないですね。

こちらがいくら想定に想定を重ねたところで、どうしても予想外のことは発生します。自分の思い通りにはなりません。失敗の繰り返しです。失敗といっても、相手を激怒させて取引停止になるような大きなものではなく「あれ、ちょっと予想と違ったな」というレベルのものです。

小さな失敗の一本道の先に成功があると考えられる人は、すぐに行動できます。小さな失敗を、小さなうちに改善していくことで、どんどん成功へとつながっていきます。予想を少しずつ修正していくことが、成功への近道であると考えられる人を求めています。

最後に、この記事を読んでいる学生に向けてメッセージをお願いします。

中島様:
活版印刷は西洋で15世紀に実用化され、16世紀に日本に伝わりました。何百年もの歴史があり、火薬・羅針盤と並ぶ、世界三大発明の一つと言われています。今、長い歴史の中で、印刷の持つ役割が変わりつつあります。現代では、印刷自体がなくなるのではないかという話も出て来ています。

しかし私たちはそのように考えていません。印刷はこれから役割がもっともっと広がってきて、もっともっとお客様のお役に立てるジャンルです。ただ今まで通りにやってもうまくいきません。ただ単に印刷物を作っておしまいでは、その会社はなくなってしまうでしょう。

地球の生物は、環境に合わせて進化してきました。これからは同じようにうまくデジタルとアナログを組み合わせて、変革していく会社が生き残れる時代です。既存のものをうまく使って、新しいことに取り組んでみたい、チャレンジしたいと考える方には、ぜひ来ていただきたいです。

インタビュアーのコメント
お店の売り場でPOPに目が留まり、「あ、これにしようかな」と決めた経験はないでしょうか。日常生活の中で、私たちが印刷物を目にしない日はありません。印刷物を通じて1を10に、10を100にできる、やりがいのある仕事だと感じました。また仕事を通じて徹底したコスト管理術や時間管理術を身に付けられるのも魅力です。これらは仕事のみならず、プライベートでも一生役に立つスキルです。これから社会人として大きく飛躍したいと考えている方は、ぜひ選考に進んでみてはいかがでしょうか。中島様、本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。(インタビュアー:中山)

担当者プロフィール

中島章裕【採用グループ リーダー】
大学時代に卒業アルバム制作を担当することとなり印刷会社との仕事を行う事となる。
その過程で印刷への興味が増してしまい、大東印刷工業株式会社へ入社。
入社から16年間は主に広告代理店へ製造受託型の営業活動を行って来た。
同時に基幹システムを開発し、業務の見える化による収益改善を実現する。
2016年からは従来型の営業スタイルからの脱却を目指し、顧客のビジネス課題解決を目指す企画営業を行っている。
そんな訳で採用を含め何足もの草鞋を履きながら業務に従事している。

会社概要

社名: 大東印刷工業株式会社
創業:昭和25年10月26日
所在地:本社 東京都墨田区向島3丁目35番地9号
ホームページ:https://www.daito-insatsu.co.jp/

応募はこちらから!

◇コーポレートサイト
https://www.daito-insatsu.co.jp/

◇採用サイト
https://www.daito-insatsu.co.jp/recruit/

◇公式Twitter
https://twitter.com/Daito_IP