INTERVIEW
常に時代をリードした「モノ造り」にチャレンジ@帝国チャック株式会社
今回は、帝国チャック株式会社の大平義知様、小野寺眞治様にお話を伺いました。 1926年の創業以来、自動車を製造するうえで欠かすことのできない「チャック」と呼ばれる工作機器を製造されています。そんな、老舗企業でありながら、常に新たな取り組みに挑戦されている帝国チャック様の熱い想いをお伝えします!
目次
貴社の事業についてお聞かせ下さい
大平様:
弊社は、自動車部品の製造工程に欠かせないデザインチャックを製造し、機械メーカー様や自動車メーカー様、自動車パーツメーカー様への販売を行っている会社です。
1926年の創業当初は、スクロールチャックの国産化に成功し、その製造を行っていました。それから40年経過した1969年以降、現在製造しているデザインパワーチャックへの参入を開始しました。実はこのデザインパワーチャックの量産化に国内で初めて成功したのも弊社なんです。
そして市場自体が徐々に、一品一品がオーダーメイドである、デザインパワーチャックの需要が高くなったことから、スクロールチャック事業は完全に廃止し、現在に至るまでデザインパワーチャック一本で事業を行っています。
弊社では、これまで長年培ってきたノウハウを武器に、営業・設計・製造の各部門が一体となり、お客様のニーズに積極的にお応えして一品一品オーダーメイドで商品を製造してきました。そして有難いことに現在、国内No.1のデザインチャック納入実績を誇っています。
今後も弊社では、常に時代をリードした『モノ造り』にチャレンジしていきます。
貴社の社員教育についてお聞かせください
大平様:
とにかく先輩社員の面倒見が良いです。 先輩後輩の距離が近いので、何でも相談しやすい環境なのではないかと思います。仕事だけでなく、プライベートでも遊びに出かける社員が沢山いますね。ちょっと教育とは離れているかもしれませんが…(笑)でもそこが、弊社の良い雰囲気を作り出せている一番の要因なのではないかと思っています。
教育としては、基本的にOJT教育を行っています。先輩社員に付いて、実際の仕事を目で見て、手で触れて覚えていくなど、とにかく『実践』を大切にしています。最初は、職長のもとで学んでいただきますが、ある程度手が離れてくると、歳の近い先輩にバトンタッチします。基礎からしっかりと教えていくので、入社時点で知識がなくても大丈夫です!
営業職の教育だけは少し異なります。営業職の方には、まず他部署で半年~1年研修を受けていただいた後に、営業部へ配属となります。弊社の営業は、SE(サービスエンジニアリング)やTE(技術営業)も行うため、幅広い知識が必要となり、組み立てや検査の部署でチャックの基礎を理解していただきます。扱う商材を目で見て、直に触れて学ぶことができるのも、モノ造りの企業ならではないでしょうか。
営業部への配属後は、3カ月程度、先輩社員と一緒に営業に回っていただきます。ここに関しては人それぞれではありますが、先輩からの合格が出たら、いよいよ営業としての独り立ちです。
小野寺様:
入社後はまず、2週間かけて新入社員研修を行います。ビジネスマナーなど、社会人としての基礎を学んでいただきます。
その後は、先ほどの大平の話にもあったとおり、それぞれの職場でOJT教育を行っていきます。今年からの取り組みとして、入社して2、3年目の歳の近い先輩もOJT教育に携わることになりました。実際に今年行ってみて、歳が近い先輩社員のほうが、自身が新入社員の時に苦労したことや、こういう風に教えてほしかったという要望を踏まえて指導にあたってくれていることもあり、より新入社員一人一人に寄り添えているのではいかと感じています。これは今後も続けていきたい取り組みですね。
過去に教育の失敗はありましたか?
大平様:
古い価値観に縛られてしまっていたことが過去の教育の失敗でした。
これまで弊社では、段階ごとの研修を行っていなかったこともあり、固執した価値観をもったまま、職長という地位に就いてしまうケースもありました。実際に、「職長に気に入られるためには?」という考えのもとで行動してしまうというケースも出てしまっていたため、このままでは間違った方向に組織がいってしまうと考えた結果、段階ごとの教育制度を取り入れました。 今後は、古い価値観に縛られることなく、どんどん新しいことも取り入れていきたいです。
社員が「うちの会社本当にいい会社なんだよね」と自然と周りの人に言ったり、社員の子供が「お父さんの会社に入りたい」と言っていただけるような、そんな社員に愛される会社にしていきたいです。
今後の会社の展望は?
大平様:
今までは、食わず嫌いや忙しさで受けない仕事もありました。ですが、今後は今まで以上に可能な限りお客様に寄り添える様に技術やサービス力を磨いて、今までお受けできなかった仕事などにチャレンジしていきたいです。 SDGsの観点からも工作機械の寿命延命なども考えられるので、チャックの仕様変更や載せ替え工事も積極的に行っていきたいです。 そして、「何かあったら帝国チャック」と一番に頭に思い浮かぶようなお客様に信頼される会社にしていきたいと思います。
小野寺様:
弊社は、デザインチャックの生産、提供を独占的に行ってきた過去があります。しかし、現在は100年に一度の自動車業界の大変革期の到来、そして自動車のEV化が進むことによって、今後はライバル会社と同じスタートラインに立つことになります。「これまで通り」はもう通用しません。この意識を社員全員で共有し、より技術を進化させていきたいです。
さらに、モノ造りという観点では、外部に委託できる部分も多くあるので、頼れるところは他社に頼りつつ、人員構成において選択と集中を進め革新的な技術スタッフを育て、お客様に求められている「モノ」の開発に注力していきたいです。
また、弊社はあと4年で創業100周年を迎えます。一大プロジェクトとして、本社移転の計画があります。これまでよりもさらい利便性の良い地に移転することで、社員の通勤をより便利に、そして良い人材の採用にも力を注いでいきたいです。
仕事をするうえで文系出身、理系出身は関係ありますか?
大平様:
弊社では、文系出身、理系出身はあまり関係ありません。所属部署によって文系、理系出身者の比率は異なりますが、大学新卒としては文系出身の者が多めです。「考えて行動する」ということができていて、なおかつ意欲があれば、文系出身の方にも経験問わず専門的な仕事を任せます。
いま現在入社して3、4年目の意欲ある文系出身社員も、未経験から設計をはじめました。そして今とても活躍してくれています。基本的なことは丁寧に指導するので、文系理系は関係ありません。何より仕事に向かう姿勢を大切にしています。
どのような人材を求めていますか?
大平様:
『明るく元気』『自発的に考えて行動できる』『反発してくれる熱い精神を持っている』私としてはこの3点ですね。 反発してくれるって言うと大げさかもしれませんが、自分の意見を持って、それを上司部下関係なくしっかり伝えられるといいなと思っています。出る杭は打たれるとも言いますが、そこで負けずに頑張ってほしいです。そうすれば10年20年先、自分に確かな実力がついてきます。
小野寺様:
何よりも『元気よく挨拶ができる人』を求めています。
「会社に来たら必ず挨拶をしなさい」これは弊社のオーナーが入社式の際に、最初の守って欲しい約束として必ず新入社員に伝えている言葉です。どんなに緊張する場面でも、初対面の方にも、変わらずできるのが挨拶です。そのような基本をしっかりとできる人であってほしいです。
その他にも、『与えられた仕事に対して、自分なりに一生懸命ゴールを考えて行動する』『自分の会社のことを自分事として捉え、行動できる』ということも大事なのではないかと思っています。
活躍している人材についてお聞かせください
大平様:
『いま自分がどう行動すべきか考えられる人』が弊社では活躍しています。
「これができるようになったから、次はこれができるようになろう」など、自己成長の側面はもちろん、「周りに困っている人はいないか」「何か手伝えることはないか」など、周りを見て、自分なりに考えて行動できている人がやはり弊社では伸びています。
初めのうちは難しいかもしれませんが、自分に余裕が出来てきた頃に、自分に与えられた業務だけではなく、周囲のことにも目を向けられるようになっていただきたいです。そしてゆくゆくはチームを背負っていく存在になっていただきたいです。
学生の皆様へメッセージをお願いします
大平様:
このご世難しいでしょうが、『足をつかって色々な企業を見てみるのが大事』ということを学生の皆様にお伝えしたいです。
学生の今の時期、まだまだ将来像が定まっていない方も沢山いらっしゃるのではないかと思います。そのような方こそ、沢山の業界、業種、企業を見たうえで自分に合った選択をしていただきたいです。
また、就職活動では気を張りすぎてしまうこともあると思います。ただ、新卒で入社した会社が今後の人生の全てではありません。これからの社会人生活で、仮に会社が合わないなと感じたり、また自身がスキルアップをしたいなと思ったりした時には、転職活動をするという選択肢もあります。あまり気負いすぎず、一社目の会社に何を求めるのか、自分なりに考えて、今の自分が納得のいく就職活動してください。その中の一社が弊社であると嬉しいです!
小野寺様:
就職活動をされるうえで、あまり企業のネームバリューに囚われすぎず、自分が何をしたいのか、どのような職種につきたいのかなどを明確にしたうえで、沢山の会社を見ていただければと思います。
弊社では、どんどん挑戦できる環境を用意しています。「どうしたら今より良くなるのか」自分で考えて実行するという点においては、こんなに苦しい思いをする会社は中々ないのではないでしょうか(笑)チャレンジ精神のある方はどんどんステップアップしていきますし、その分やりがいも感じて働いていただけるのではないかと思っています。
ぜひ、チャレンジ精神旺盛で、仲間とコミュニケーションをとりながら仕事ができる方に来ていただきたいです!
インタビュアーのコメント
今回は、帝国チャック株式会社の大平義知様、小野寺眞治様にお話を伺いました。
帝国チャック様の、現状に満足せず常に挑戦しつづける姿勢、そして、お話の中で何度も仰っていた「考えて行動する」という点は、私自身新卒として今後大切にしていこうと思わされました。何より、インタビューをさせていただく中で、お2人の人柄にとても惹きつけられると共に、楽しいインタビューになりました。
大平様、小野寺様。今回はお忙しいところ、貴重なお話を誠にありがとうございました!
(インタビュアー:北本)
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会社概要
社名:帝国チャック株式会社
創業:1926年(昭和元年)
所在地:大阪府八尾市北久宝寺2-1-50
ホームページ:http://www.teikoku-chuck.com/
担当者プロフィール
大平 義知
2010年入社。 企画室 室長。
学校在学中より、ビデオグラムメーカーの宣伝、デスクとして働く。 4年程同業界で仕事をした後、日本の基幹産業を見たい思いから、転職を決意。 しかし、リーマンショックの影響で希望の仕事が見つからず、希望に近い現在の会社へ入社。 営業部に所属し、営業と採用活動を兼務して行っていたが、2018年より企画室へ異動。 どんどん趣味が増えていくので、趣味を増やすのを自主規制している。
小野寺 眞治
1986年入社 1967年生まれ とても真面目で熱い蠍座。 六人兄弟八人家族の長男としてこの世に生を享ける。 生きることに必死で、小学5年生の時に初めて新聞配達のアルバイトを経験。 以後、テイクアウトのお弁当屋、製麵所、某大手企業の社員食堂や青果売り場で高校2年まで稼ぐと云うことを経験する。 入社の経緯は当社の近くに住んでいた高校時代の友人が【凄い有名で中々入れない会社】と勧めてくるのでそのまま入社を希望し採用され現在に至る。 経験部署は、製造部熱処理班で新規設備に巡り合い、主計部電算課でバーコード進捗管理システムに苦労し、管理部で納期管理と新規取引先の拡充に力を注ぐことを経験。 夫々の部署で良き先輩に恵まれ、1年前に現在の総務部兼主計部の担当となり日々勉強の毎日を過ごしています。 趣味はハイキング、四季の草花観賞、キャンプ、そして呑むことと食べることが何よりも好きです。