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INTERVIEW

常識にとらわれないモノづくりを@株式会社エーディエフ

 

“常識にとらわれないモノづくりを”として、お客様だけではなく自社の思いも含めた、相互の思いを具現化し続ける、株式会社エーディエフ。
あの有名な国際的なスポーツの祭典にて「同時通訳ブース」を納品したことで、世界中の通訳者に衝撃を与えました。
多面的に活躍する独創性のある社員の方が多く在籍する株式会社エーディエフの魅力について、島本社長にお話をお伺いしました。

貴社の事業内容について教えてください

島本様:
弊社は2022年の2月で24期目を迎えたアルミフレームのメーカーの会社です。オリジナルのアルミフレームも持っており、ニーズに応じてオーダーメイドもしています。
街にあるA型看板や機械カバー、これまでは鉄製しかなかった軒先融雪器のアルミ製のもの、他にもたこ焼き屋の屋台や、自衛隊の訓練に使うなど、業界を問わずさまざまなものを作っています。
我々は製造元メーカーでもあり、販売元メーカーでもあり、そして「発想元メーカー」でもあります。
「無いものを作る」という理念に基づいて開発した製品の一つである同時通訳ブースは世界的なスポーツの大会でも使用されました。
現在、パリの音響機器メーカーにも同じものを2024年の大会で使用いただける検討をしてもらっています。

──要望が無いとなかなか思い付かないものでもありますね。

島本様:
最初はニーズを聞いて声を形にするということをしていましたが、最近では「こんなものがあった方がいいよね」というものを形にして発信していくようにしています。

──ただニーズに応えるだけではなく、あった方がいいものを生み出してらっしゃるんですね。

貴社の経営理念について教えてください

島本様:
無いものを作る際に、たとえば先程の同時通訳ブースの場合、その業界に精通した方の賛同が必要になります。我々は知識がゼロなのに作ろうとしているわけですから、その業界に精通する仲間を探すことになります。
理念に「相互の強い思いを具現化する」とあるように、“お客様と提供者”といった対面の関係性ではなく、横並びで同じ目線で考えてくださる方の熱い思いと、我々の熱い思いの両方がないと世の中に無いものを作ることは不可能だと思っています。

また行動理念にあります、独創性という言葉には、自分なりの考えをしっかり持って進化する”という意味が込められています。
独創的な考え方は、現状を疑ってみるところから始まります。常識のメガネを外して物事を見なければならないので、ともすれば個人的な意見と捉えられる事もあるかもしれませんが、
人と少し違う見方をすることで、新しいものも生まれます。最初は反対されても、世の中がより良くなることを願って実現できた時には、自分の自信と誇りに繋がるでしょう。
私自身も、社長の立場で社員さんを見た時に、常識のメガネで物事を見ません。
例えば、挨拶一つとってもそうです。元気に大きな声で!が挨拶の基本と言いますが、
挨拶の声が小さくても、黙々と働く人は居ます。元気に挨拶して、豪快にミスする人も居ます。
コロナ禍でも“大きな声を出さない”事が常識になりました。社長の方針が“元気に挨拶”だったなら、その会社の常識はどのようになるでしょうか?
大事なのは物事の本質を見る事です。皆が同じでは独創性は生まれません。
行動理念にはそのような思いが込められています。社員1人1人が自分に誇りを持って欲しいと思います。それが理念にある「独創性」ということです。

貴社の社内教育について教えてください

島本様:
過去に社内で行った取り組みが色々あります。10年前には、私と社員の方の垣根を取っ払うために、仕事の話はせずに、お店も社員さんに選んでいただき、サシ飲みをするという取り組みをしました。
「それ以来、話しやすくなりました」というお声もいただいています。また、「月に4つ改善したら年間で48個改善できるよね」と『48(よんぱち)会議』というものを催したり、『環境整備プロジェクト』として朝の掃除を行ったりしました。
社内教育としては、商品開発研究を3年計画で進めました。1年目には世の中にないものを作るための意識を芽生えさせ、最終的にはYahoo!ショップで実際にものを売るという作業を行いました。
その後、商品開発とは関係なく、コロナ禍ということもありパーテーションの開発を社員が自ら行いました。そのパーテーションはのちに近所の区役所に寄贈しました。
こちらは営業時間外に設営しにいったのですが、多くの社員が参加しました。世の中に役立つものを自分たちで考えて、自分たちも利用する区役所に寄贈できたということに喜びを感じているようでした。
生きた社員教育とは、まさにこれだなと感じました。この取り組みは新聞にも取り上げられました。
これを機に、病院にも寄贈をして、のちにストレッチャーに取り付ける飛沫防止のためのカバーを開発して、現在は特許申請中です。
病院との取引はこれまで一度もなかったのに、これ以降『病院エキスポ』という展示会に出たりと、新しい種を蒔いています。

──これまでの社内教育の中で何か課題を感じたことはありますか?

島本様:
社内教育に対して無関心な人をどのように振り向かせるかは課題です。向上心がなく無関心で、自分の将来を考えていない人は、やはりいます。そういう方に対しては、気づくチャンスを与えつつ“待つ”という事が大事だと思って見守っています。
今後は採用段階でも「エーディエフでこうしたい」と言葉にできる“思い”を持っている人を採用していきたいと思います。

新入社員の方にどのように成長してほしいとお考えですか?

島本様:
現在24期目ですが、25〜29期目には、若手幹部誕生を目標としています。地域から関西、そして全国へと、向上心を持って成長する人が増えてほしいと思います。
今年は福岡に営業所を作りましたが、そのききっかけは“奥さんの地元の福岡へ引っ越さなければいけない”という社員がいたことでした。
その社員にエーディエフをやめたくないので、営業所を作っていいですか、と相談され、そして今年できたのが福岡営業所です。

本来はそういう理由で許可することはないのですが、入社8年目のその社員は、自分の頭で考えて行動できる人だったので、彼が家族とともにその地に移り住んでやる、と言ったからにはきっとやるだろうと信じて許可しました。
地域に根ざしてやると決めた人はどこに行ってもやります。だからそれは四国だろうと群馬だろうと構いませんでした。しかし実際、福岡にはニーズが多様にあったようで、どんどん彼は仕事を取ってきます。
今は毎日が充実して仕方ないと言っています。そんな人が1人でも増えてほしいと思います。独立志望があるくらいの気概のある人を育てていきたいです。

──ここまで社員の方の希望に沿って考えてくださる会社はなかなかないと感じます。どのような線引きでゴーサインを出しているのですか?

島本様:
「発想力を大切にしたものづくり屋である」という大筋がずれていないかどうかです。そのため、福岡営業所で、右から左に受け流す商社のようなことをしたいと相談されたときは、ストップを出しました。
「それは脳みそに汗かいてるんか?」「手に泥つけてやってるんか?」と。それが資金を回すための手段であれば百歩譲るのですが、容量かまして利益を上げることを主にするなと言いました。
昨年は、12月に韓国からアルミパレットを2000枚輸入して、水メーカーに販売をしました。それは韓国で生産されたものを納品しました。これは商流としては右から左です。
しかし、幾度となく先方に出向き、課題を聞いて、どんどん提案して、最初は1000枚アルミ製、1000枚鉄製の予定でしたが、2000枚全てアルミ製にしたいと言っていいただくまで、お客様にご納得いただく提案をしまくりました。
これは弊社がいなければ絶対に成り立っていないことだと思います。右から左に流すような商流だとしても、そういった発想・提案力をもって取り組むようなものには意味があると思います。

入社してほしい人材の特徴について教えてください

島本様:
やはり思いを持っている人ですね。弊社には4サイトのホームページがありますが、それを見て「面白いな、この会社」と思ってもらえるような人に来ていただきたいです。
興味もない会社でずっと働くなんて無理ですからね。まずは興味を持ってくれる人、そして勘違いでもいいので「ここなら自分のこういう夢を実現できるかも」と思ってくれる人。それだけで充分です。
未経験でも全くかまいません。 この4つのホームページは、3年前に入社した、全く知識のない女性社員が作ってくれました。興味さえあれば自分で調べてやってくれますので。あれだけ充実したホームページを見れば、興味のある人ならピンッと来るはずですからー。

貴社で活躍している人材について教えてください。

島本様:
まず、弊社のモットーは「他社と同じものは作らない」ということにあります。あるとき、弊社が取っているものづくり系の新聞社から広告掲載の打診がありました。
実は、過去に新聞広告を掲載しても反応はあまりありませんでした。そこでこのような広告を打ちました。「結果的終身雇用」という私がつけた標語をタイトルにした広告です。

「結果的終身雇用」
星の数ほどある企業の中で、1人の人生が1つの会社で終わることは、考えてみれば不思議な話かもしれない。
好きなことを見つける10代
自分に自信をつけたい20代
本気になれる30代
変化を求める40代
自分を深める50代
後世を思う60代
人生を楽しむ70代
達観した80代
世代によってやりたいことも変わる。ならば、自分の変化に応じて、会社も変えていけばいい。
その人の一生を輝かせるのが、会社であるはずだ。
人生を振り返った時「色々な挑戦ができた場所だったな」と言えるように 私は、それが「結果的終身雇用」だと思う。

島本様:
各世代でやりたいことをやり続けて、あるとき人生を振り返ってみれば、結果同じ会社にいた。それが結果的終身雇用です。
弊社には、先ほどお話しした、福岡営業所を28歳で作った社員がいます。元々独立しようと思っていたのに、「やりたいことはここでやれているから」と独立する事をやめて、取締役になった30代の社員もいます。ウェブ事業部を作ってくれた社員も居ります。

その社員が作ったホームページを見たお客様から「おたくのホームページすごいですよね。うちのも作ってくれませんか?」と依頼されたりしています。
「アルミでDIYしたい」という夢をかなえるために、上場企業から転職してきた50代の社員もいます。その結果、現在、カインズ全店舗に弊社のアルミフレームを入れる計画が進んでいます。
“簡易クリーンルーム”で毎年億単位の売り上げを上げている60代の社員は、これまではパンチパーマのトゲのある営業部長でしたが、今は後世を育てたいと話しています。
また、弊社には70代の職人が2名います。2人とも、「色々経験したけど、最後の職場がここで良かった」と話してくれています。
80代の取締役会長は、「いつの時代もデジタルの基はアナログだということを忘れてはいけない」とおっしゃいます。多様性を認めれば人は輝きます。
価値観はその時代時代で違いますが、考えて新しいものを生み出す、ということは弊社では一貫して大切にしていることです。この20代〜80代の人財(じんざい)を紹介した新聞広告を毎月1人ずつ掲載しているところです。

貴社の今後のビジョンについて教えてください

島本様:
弊社は、現在は5億円規模の会社ですが、50期には80億円企業になるポテンシャルがあると感じています。
実はモデルにしている会社があり、そこは50期で100億、経常利益は20億出ている会社です。
その会社は弊社に似ている部分が多く、その会社の役員の方にも「うちに似ているね」と言われたことがあります(笑)。
弊社もそのような展望を目指していきたいと思っています。そのためには「世の中に無い物を創る」という創意工夫の理念のもと、メーカーとして、世の中に無い“新しい仕組み”を生み出すほどの企業へ成長させたと考えています。

学生求職者の方に向けて一言お願いいたします

島本様:

まず、絵にかいた餅でもいいから、何か思いを持つのが大事です。私が、「世界的なスポーツの祭典に向けて何か自社商品を納品したい」と夢を描いたのが2018年、19期のときです。
その2年半後に夢が実現したことで、すごく自信になりました。夢を実現するために開発したのは、これまで作ったことも無かった“同時通訳ブース”という物でしたが、熱い思いを持った仲間たちと次々に出会う事ができました。
同時通訳ブースを実際に納品したとき、世界中からきた通訳者たちが“WOW!”と言ってくれたことは今も鮮明に思い出されます。20年かかりましたが、“世界をあっと言わせる”という夢が叶った瞬間でした。みなさんにはもっと早い段階で、震えるほどの感動を味わってほしいです。

そのためには絵空事でも良いから、夢を描かなければいけません。給料が高いとか、休日が多いとか、人から与えられるものではなく、自分で自分の“やりがいの灯”を燃やし続けられることを夢にしてください。
それは自分にとってなんだろうと思ってほしいです。 面接に来たときに、面接をされてると思ってほしくないんです。
「俺がお前んとこの会社面接に来てんねん」という気概を持っているくらいでないと、独創性があるとは言えません。確かに礼儀とかは大切ですが、面接す面接する側・される側ではなく、お互い対等な意識でいたらいいよ、ということです。

インタビュアーのコメント

今回は、株式会社エーディエフの島本社長にお話を伺いました。

特に他社と同じものは作らない」ための「結果的終身雇用」などの教育の施策や取り組みは目を見張りました。
理念である「相互の強い思いを具現化する」の実現のための強い熱意を感じることができ、私自身とても刺激になりました。

今回のインタビューを見て、少しでも「株式会社エーディエフ」で一緒に働きたいと感じた方は、ぜひ一度エントリーしてみてはいかがでしょうか!
島本社長、今回はお忙しいところ貴重なお話の機会をいただき、誠にありがとうございました。

(インタビュアー:佐藤)

 

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会社概要

社名:株式会社エーディエフ
設立:平成11年2月
所在地:〒555-0034 大阪府大阪市西淀川区福町1-1-22
ホームページ:https://adf-al.com/

担当者プロフィール

▼島本 敏
1999年入社 2002年2月より代表取締役に就任 アルミフレームメーカーとして設立した同社の代表として、様々な商品を開発。
代表作として、軒先融雪器「スノーエール」や、簡易クリーンルームとして使える 「EーRoom⁺」、折り畳み式通い箱「Dan Cargo」などを、それぞれの業界に展開。
半導体業界や液晶フィルム業界、食品業界や医療業界の他に、防音業界やDIY業界まで 幅広い商品展開を行い、マルチに企画提案を行っている。
モットーは「他社と同じものを作らない」幅広い業界と精通し、世の中に選択肢を与える事を 使命としている。