1. HOME
  2. インタビュー記事
  3. お互いに信頼し、お客様を敬い、自社の製品を愛していく@株式会社三和製玉

INTERVIEW

お互いに信頼し、お客様を敬い、自社の製品を愛していく@株式会社三和製玉

今回は、株式会社三和製玉の人事部門の森岡様にお話を伺いました。昭和36年に寿司用・仕出し用玉子焼の製造・販売を基本として創業し、
常に本物の味を求め、高品質な製品を世の中に提供をし続けているとても魅力的な企業です。
お客様、社会、社員、家族、全てに喜ばれる企業であり続けるポイントを伺いました。

貴社の社是(経営理念)について教えてください

森岡様:
まず私どもの社是は、共存共栄、相互信頼、そして敬客愛品でございます。
これらは読んで字の如くなのですが、まず、共に存在し共に栄える、これはすべてのお客様、すべての業者様、そして我々社員とその家族も含めて、すべての皆様方と共に栄えていく、ということです。
私どもの創業者はこのように言っています。
「とにかくお客様にはより良いように、進んで良く考えてあげなさい」
「社員の方が幸せになるようにより良く考えてあげなさい」
「納入業者さんと共に良くなっていくことを考えてあげなさい」
そしてお互いに信頼し、お客様を敬い、自社の製品を愛していく、という経営理念をつくりました。

━━この社是(経営理念)が生まれた背景はございますでしょうか?

森岡様:
創業当時の61年前は、強いものが栄えていくという考え方が横行していた時代でした。お客様から度を超えた値下げを強要されたり、買う立場では納入業者さんに強要したりすることがありました。
これでは一方は良くても、一方は成り立たなくなりますよね。とにかく三方良しで、買う方も、私たちも、働く人も、みんなにとって良い関係を作っていかないと良い流れも止まってしまうと考え、この経営理念を謳い始めたと伺っています。

━━創業当初からお客様だけでなく従業員満足にも目を向けていたのは本当に素晴らしいです。

貴社の事業内容についてお聞かせください。

森岡様:
現在は鶏卵加工という、鶏卵を使った食品の加工を行っております。主に卵焼きやオムレツ、錦糸卵などを生産しています。

生産ラインではまず原料を計り、それを調合する部署があります。
その出来上がったものは、「ネタ」というお醤油やみりん、お砂糖や塩などを混ぜ合わせたものを熱い鍋に流し込み、
卵を焼いていく過程の作業をする部署を「焼成ライン」と呼んでいます。

今度は、その焼き上がったものをトンネル型のフリーザーを通して冷凍していきます。この冷凍した商品を検品し、機械で包装するラインを「包装ライン」と呼んでいます。
ここでは、人が目視検品した後、X線で商品の中に異物が入っていないかの確認も行います。
そして最後の「梱包ライン」では、機械で包装されたものを箱詰めする作業を行い、倉庫からお客様のところへ発送します。

━━ありがとうございます。入社初期は現場での作業から始めるのでしょうか?

森岡様:
そうですね。どの部署に入ったとしても、実際の現場の流れや何が行われているのかを知らなければ仕事に繋がっていかないので、まずは1年近く現場研修を行います。
また、現場の実際の機械などを扱うことによって現場での学びを深めてもらう機会も設けております。

福利厚生などの制度はございますか?

森岡様:
福利厚生などは一般の企業様と同様にあります。また、我々は衛生面で万全を期すという意味で、部署と部署との間を完全に仕切っています。
そのため、他部署との交流が少ない会社ではあります。そこを補うという意味でも、レクリエーションなども行っております。
ここ2年ほどはこのコロナ禍で全くできていない状況ではあるのですが、お花見やボーリング大会を行ったり、また有志を募ってリレーマラソンに参加したりしています。

━━最近はコロナの影響でレクリエーションができない他の企業様も多いのですが、お花見やボーリング大会は、社員のみなさん全員が参加するのでしょうか?

森岡様:
はい、中にはパートの方や中国の実習生の方などもいて、みんなで参加してワイワイとアットホームな雰囲気で行っています。

━━新卒の方含め若手の方が多く参加されるのですか?

森岡様:
はい、そうです。情勢も元に戻りつつあるので、またレクリエーションを行いたいと思っております。

入社後、新入社員の方にどのような教育を行っていくのでしょうか?

森岡様:
先程申し上げたように色々な部署がありそれぞれに特色もあるため、各部署で学ぶことは非常に多いです。数ヶ月ほどのスパンを設定して、その中で学んでいただき、その学びを営業や品質管理、開発などに生かしてほしいと思っております。

━━1年間現場で研修を行い、その後、配属先が変わるということですが、その配属先はどのように決めていますか?

森岡様:
本人の特性もあると思いますが、私は数年間新卒の方を拝見してきた上で、本人の思いと、実際に合う・合わないは全然違うところが多いと思っています。
だから現場で実習して、リーダーであったり、製造部を動かしていく立場の方が合う方も中にはいらっしゃいます。そのような棲み分けをするために、1年かけて見ていくようにしています。
今年4月に入った方々も現在現場研修をしているところです。

━━現場のリーダーの方が新卒の方の特性を見極めながら、どこで一番活躍できるかを見ているということでしょうか?

森岡様:
そうですね。現在、生産の部長・課長も現場に入って、新卒の方々の特性を実際に自分の目で見るようにしています。
そのあたりが大企業とは違うところだと感じます。弊社は中小企業なので、きめ細やかにご本人自身の特性を見極めることができるのかなと思っています。

━━一人ひとりを見るのは大企業では難しいので、中小企業ならではですね。近年、学生の方にも「気にかけて欲しい」という声も多いのですが、御社ではそのあたりが手厚いように感じました。

森岡様:
社長自身がフランクなタイプで、それこそ廊下で会ったら「最近どう?元気にやってる?」なんて気軽にお声がけしてくださるような方です。
そういう意味でも、新卒の方にとっても、「ちゃんと気にしてくれてるな」と思っていただけるのではないかと思います。ちょっと時々オヤジギャグが出ることもありますが(笑)。

━━ワンフロアで仕事をするのは働きやすいと私も思います。

森岡様:
そうですね。私もそれは非常に良いところだと思っています。

新卒の方に将来どのように育ってほしいとお考えですか?

森岡様:
弊社にはパートの方や中国の実習生の方もいらっしゃいますし、また、弊社は定年が65歳なのですが、65歳以上の方の継続雇用も推進しています。
そういった方々を引っ張っていけるリーダーになれるような存在、そういう立場になってほしいと思っています。
また、二代目社長となる現社長は61歳で、既に三代目となる方もいるのですが、その方はまだ20代です。そのため今年や来年、その後の新卒の方も同じ20代の世代なので、
次の社長と会社を引っ張っていく存在になってほしいと思っています。発言力や提案力もあるような方が集ってくれたら嬉しく思います。
そのような存在になってくれれば、非常に強い会社になると考えております。

━━リーダー気質で年上の方や会社を引っ張っていけるような、人材を求めているんですね。

森岡様:
そうなんです。ただ、ハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、年上の方にかわいがってもらえるような、そういうタイプで良いんです。
引っ張っていかなきゃと気負ってもらわなくても、かわいがってもらえるような人なら、年上の方たちから支えてもらえるようになり、その中で育っていけると思います。そんな方がいいなと感じます。

━━確かに年上の方にかわいがっていただくと働きやすい環境にもなりますよね。一緒に働く人ともコミュニケーションを取ってほしいということでしょうか?

森岡様:
そうですね。現在、現場にいる年上の方たちはコミュニケーション能力が高い方が多いので、相手の方からコミュニケーションを仕掛けてくるとは思います。そのあたりを受け入れてくれればいいのかなと感じます。

━━社長や社員の方の雰囲気をお伺いすると、働きやすく、質問などもしやすい環境のように感じますね。

森岡様:
はい。社長は男性で女性の悩みは聞きづらいかもしれませんが、人事なら私、そして社長の奥様などが、女性特有の悩みや家庭の悩みなどをお伺いしたりアドバイスさせていただいたりしています。

━━男女共に入社後もフォローしていただける環境ですね。

森岡様:
はい。一人ひとりを丁寧に見させていただいていると思います。以前、社内で問題があったときに私が家庭訪問して、
どうすれば今後お仕事しやすい環境にできるのかをご両親とお話しさせていただいたこともあります。大卒の方ならそこまでしなくてもいいのですが、
高卒の方などの場合、社会人とは言え、精神的にもまだ成熟していないと思うので、そのような際にはご両親にもご協力いただくなど、そういったことも丁寧に行っています。

━━今までインタビューさせていただいた企業様の中でもずば抜けて一人ひとりに手厚いと感じました。

森岡様:
とにかく、みんなが働きやすい環境を目指しています。以前はここまでできなかった時代もあるのですが、
一人ひとり、仕事が終わって「お疲れ様、今日も頑張ったね」と毎日言ってもらえることが非常に大事だと思っています。
私は今、工場全体の仕事が終わるまで会社にいるのですが、帰りは必ず現場を最後に出る方が、終わりましたと内線を入れてくれます。
そのときも「今日も大変だったね、お疲れ様」とお声がけするようにしています。
仕事が終わって一人で帰っていくのではなく、誰かがどこかで見守っているという状況を作っているので、安心して働いていただけるんじゃないかなと思っています。

━━なかなかこんなにフォローが手厚い会社様はいらっしゃらないですよね。

森岡様:
いえいえ、そんなことはありませんが(笑)。でも、そういったものを目指しています。

求める人物像について教えてください。

森岡様:
とにかく幅広い年齢層の方がお仕事しているので、人間関係を大切にして、人の心や利他の心を大切にする方をまずは求めたいと思うところです。
また社長が理系ということもあり、科学的だったり論理的な思考ができる方がいいなとも思っています。

━━利他の心は大切ですね。またロジカルな思考を持てる方も求めているということですね。

森岡様:
やはり食品ということもあるのか、最近は男性も女性も理系の方からの応募が非常に多いです。
ただ、私どもは理系に限っているわけではないので、数字を元に、科学的根拠を元に、そういった考え方ができれば良いと思っています。

過去の失敗談や見つけた課題や改善策などはございますか?

森岡様:
いまは過去の失敗を元にして一人ひとりを見れるようにしているのですが、以前は現場の若いリーダーに任せっぱなしという部分がありました。
そのため、せっかく良い人材だったのに育て上げることができず、中途退職になってしまったという経験もございました。
どうしても年齢が若いと、仕事を救ってあげることはできても、なかなか人の気持ちまで救ってあげることはできません。

現在は、一人ひとりの心情や家庭環境、いまどういった気持ちで仕事に来ているのかなど、私ども人事の方で様子を見ながら、その人が安心して働けるような状況を作れるようになってきたと思っています。
また、新入社員の方とは2ヶ月に一度は面談をして、今の状況はどう?とお聞きしながら、問題点はすぐに解決して、ご本人の状況も逐一確認するようにしています。

━━その面談は森岡様が行うのでしょうか?

森岡様:
はい。私と副社長と一緒に行います。女性なのでどちらかというと話しやすい雰囲気にはなりやすいそうで、
こうしていまのインタビューでもできるだけフランクにお話しさせていただいているのですが、できるだけご本人の話しやすい雰囲気を作るようにしています。

貴社の今後の展望はありますでしょうか?

森岡様:
いま私どもが力を入れているのは、お客様に選ばれる会社になるということです。では何を思って選んでいただくのかというところですが、
お客様に言われた商品をただ生み出していくだけでなく、開発型の営業として、私どもからも提案し、お客様からも提案していただき、そして製品を作っていくという会社を目指しています。
開発型の営業は社長が強く押し出しており、メーカーでは開発をメインに大きく寄っている会社は少ないのかなと思っています。
現在は開発営業はこのメンバー、と決まった方がいるわけではないのですが、これから入ってくるメンバーには、開発という部分で新たな製品を生み出していき、
プラスでお客様にアピールしていくという、両方を行っていけるような形を取っていただきたいと思っています。

━━開発型の営業をする素質があるような方にもご応募いただきたいということでしょうか?

森岡様:
営業の素質というのは、ただ話がうまいだけではダメですよね。自分たちの良いところをちゃんとお話しすることができて、お客様の話をよく聞く、
というところが営業にとって一番重要なところです。そのため、人の話をしっかりと聞ける方がいいなと思っています。
お客様の話を無視して自分たちのやりたいことを進めていくタイプの方もいらっしゃるので、
まずはお客様の話をよく聞いて、その後にこちらのやりたいことをお伝えできるような方がいいと思っています。

━━聞くということは大切ですよね。相手の方の悩みを聞き出して、そこを改善するのが営業かなと私も思っています。

社員の方はどのような方が多いですか?

森岡様:
年代は20代から70代と非常に幅広く、同級生のような方もいれば、自分のおじいちゃん・おばあちゃんのような方もいて、社会の縮図のような会社でもあるのですが、みなさん話しやすい方ばかりです。

━━仕事は仕事、プライベートはプライベートとわけて黙々と働いている方がいる企業様もあると思うのですが、御社はいかがでしょうか?

森岡様:
プライベートまで把握しているわけではないのですが、富山県というのは小さな県で、富山市内から来ている方が多いです。
そのため自宅が近いことも多く、「同じ町出身だよ」といった横の繋がりがあったりしますね。
また弊社の場合、繁忙期になると製造部のメンバーではない事務方や営業、品質管理といったメンバーがバンバン現場に入ってお手伝いをしてくれます。
そういった助け合いの精神があり、「あなたのことは知らないよ」なんてこともなく、みなさん協力的です。
自分の部署が手隙になったら他の部署に応援に行くなどといったこともよく行っています。

━━いろいろな方と関わる機会がありますね。

他にここはお伝えしたい!ことはありますか?

森岡様:
私たちの会社は製造工場なので、時折近所の小学校の生徒さんに工場見学に来ていただいたり、こんな風に製品が作られるんだよ、と見てもらったりしています。
しかし、まだ近所の学校だけですので、これを市内や県内にどんどん広げていきたいと思っています。いまは実際に来ていただかなくても、
ZOOMなどで工場見学もできるので、生徒さんからの質問にもその場でお答えできますし、働いている人の気持を聞いていただくこともできます。
ういった社会貢献を進めていきたいと考えています。

━━地域の方にも貢献していきたいということですね。

森岡様:
はい。弊社の商品は学校給食にもお使いいただいているので、せっかく召し上がっていただいているなら私たちも協力したいと考えています。

最後に就活中の方や若手の方へ、応援メッセージをお願いします。

森岡様:
いまは戦争もあったりして非常に混沌とした世の中で、何があるかわからないような時代で夢が持てないという学生さんのお声を聞いたりすることもあります。
でも、20代前半ですよ。まだまだ希望や夢を持って色々なことができる年代だと思うんです。人生80年、90年時代と非常に長いです。
とにかく自分が真剣になれそうな仕事を選んでほしいと思います。もしかしたら失敗することもあるかもしれませんが、失敗というのは大きな学びになるので、
そこから立ち上がることが人生においては一番大切だと思います。ですから、どんどん失敗して、どんどん学んで、自分の能力や経験を深めてほしいです。
未来は自分で作るものなので、自分の夢を追っていただきたいです。

インタビュアーのコメント

今回は、株式会社三和製玉の森岡様にお話を伺いました。
お話を伺った中でも、一人一人に手厚いサポートをしている点やアットホームな職場であることがとても印象深く残っています。
また、社是である「共存共栄、相互信頼、敬客愛品」を体現しているからこそ、社員の方のみならず、社員の方のご家族様、地域の方まで大切にされていることが
お話を聞いていく中で強く伝わって来ました。

森岡様、今回はお忙しいところ貴重なお話をしていただき、誠にありがとうございました。

(インタビュアー:織田)

応募はこちらから!

▼公式採用サイト:http://www.sanwaseigyoku.co.jp/recruit.html
▼マイナビ   :https://job.mynavi.jp/23/pc/search/corp205739/outline.html

会社概要

社名:株式会社 三和製玉
設立: 昭和50年5月1日
所在地:富山県富山市向新庄町8丁目1-29
ホームページ:http://www.sanwaseigyoku.co.jp/index.html

担当者プロフィール

森岡様 業務部部長 2003年入社
業務も人事も担当しています。当時は事務員として入社し、会社のシステムの立ち上げなども行っていました。様々な仕事に携わる中で、次第に人事のお仕事をしていくようになりました。